甘い物はいくらでも食べられるように、文具もいくらでも買ってしまう「文具は別腹」な方々。そんな皆さんの別腹を大いに刺激する文具コラム。ステーショナリー ディレクターとして色々な文具を見てきた私、土橋(つちはし)が、その使い心地も含めてご紹介していきます。(毎月第四金曜日配信)
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日本の文具メーカーの開発力にはいつも驚かされる。薄々気になっていたけれど、まだはっきりと意識していない小さな違和感をいち早く察知して、先回りして解決してくれる。そして、こういうのが欲しかったでしょ、と私たちの前に差し出してくれるのだ。この察知するセンサーというか、その精度はいつもすごいと思う。
この三菱鉛筆ジェットストリーム3色ボールペン SXE3-507は、まさにその典型例と言える。
■ よく使う黒ボールペンがとことん使いやすい
これは黒・赤・青のボールペンが一本に収まった3色ボールペン。3色の中で一番よく使うのは黒インクだろう。その黒をカチッと出すとき、ペンの後軸から飛び出しているノックを押せばいい。サラッと紹介してしまったが、これはすごいことなのだ。少なくとも多色ボールペン史上でみると新しい。多色ボールペンというものは、後軸の表面にあるスライダーをおろしていく。もしくはノック式のものでもカラーインデックスを上にしてノックするといった具合にいちいちノックあたりを目で確認しないといけなかった。今回のノック式なら何も気にせず単色ボールペンのように黒ボールペンが出せる。ブラインドタッチでもサッと書き出せるようになるのだ。これは助かると思う人はきっと多いに違いない。なお、その他の赤と青は従来通りのスライダー式になっている。あくまでも黒ボールペンだけだが、日々よく使うので、これはありがたい。
黒ボールペンはメインの筆記によく使うので使用頻度は高くなり、どうしてもインクの減りは他の色に比べてはやくなってしまう。今回のボールペンでは黒インクが赤や青よりも70%も多く入っているという。どれどれとボディを分解してみる。特に黒インクリフィルだけが太かったり、長かったりということはなかった。赤や青のリフィルと同じように見える。
実は、内側が違うらしい、黒インクリフィルのチューブを肉薄化しているというのだ。これにより、多くのインクが入っている。確かに、赤のリフィルの外側に目を凝らすとチューブに厚みがあるのがわかる。
そのたっぷり黒インクリフィルは、嬉しいことに別売りもされている。
■ シンプルボディ
ボディの作り込みにもこだわりが感じられる。全体のボディはスラッとしたストレートライン。クリップは別パーツになっているようで、広がり具合にも安心感がある。握るグリップはマットな質感で等間隔に穏やかなくぼみがあり、指先を気持ちよく支えてくれる。いずれもさりげない見た目というところがいい。
カラーバリエーションもダークグリーン、グレージュなど個性的な色もラインナップされていて、なかなか挑戦的だ。
よく使う黒インクがサッと書き出せ、インクの減りも気にせず大いに使っていける。そして、あのなめらかな書き心地も楽しめる。使い手を静かに満足させてくれる、一歩進んだ3色ボールペンである。
[ジェットストリーム 3色ボールペン 0.5㎜ 各色 税込550円]
[ジェットストリーム 3色ボールペン 0.7㎜ 各色 税込550円]
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記事配信日:2022/07/22