甘い物はいくらでも食べられるように、文具もいくらでも買ってしまう「文具は別腹」な方々。そんな皆さんの別腹を大いに刺激する文具コラム。ステーショナリー ディレクターとして色々な文具を見てきた私、土橋(つちはし)が、その使い心地も含めてご紹介していきます。(毎月第四金曜日配信)
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ノートや手帳ほど身構えずにサッと書いていくメモ。机のないところで立ったままですばやく書いたり、やるべきことを忘れないように書きとめたりと日々活躍の場面は多い。一枚のメモから仕事だったりプロジェクトなどが始まることも多い。その意味でとても重要なものであると思う。今回は長年販売されているメモアイテムを3つ紹介してみたい。
■ コクヨ ポケットノート(ツインリングとじ)

手のひらサイズのリングスタイル。販売は1995年からなので30年というロングセラーだ。特徴はペンホルダーが表紙についているところ。ペンホルダーと言うと、ノートや手帳の横に張り出しているものが多い。これは表紙の真ん中、しかも斜めに付いている。太くしっかりしたゴムバンドはペンの太さに合わせて調整ができる。ゴム自体も伸びるのに加え、引き出せるようにもなっている。スリムなペン、少し太い多機能ペンなどもセットできる。ペンホルダーが斜めであることで、セットしたペンが表紙からはみ出しにくいところもいい。


使ってみて、なるほどと思ったのがペンホルダーの裏面の作り。間仕切りがあることでペンホルダーの裏面の出っ張りがほぼフラットになるよう配慮されている。細かなところまでよく考えられている。

紙面は6mm横罫線、50枚とタップリ書いていける。ポケットに入れておけばすぐに書き出せて、メモのタイミングを逃さない。
[コクヨ ポケットノート(ツインリングとじ) 税込396円]
■ ミドリ ダイヤメモ

1961年からの販売というから60年を超える超ロングセラーだ。クラシカルな佇まいは今改めてみると新鮮に映る。サイズはSMLの3種類ある。その中で定番はMサイズ。このサイズは使用シーンから割り出されている。1960年代当時は高度経済成長が始まった頃。当然まだパソコンなどない時代。書くことが仕事を進める中心的存在だった。ビジネスパーソンが持ち歩けるメモを、ということで企画された。ちなみにその当時、メモといえば電話の横にある書いてはちぎって使うタイプが定番だった。

持ち歩きやすくするためにはどうすればいいか?そこで行ったのが市販されているYシャツをいくつも買ってきて胸ポケットのサイズを徹底的に測るということだった。そしてMサイズが決まっていった。実際に胸ポケットに入れてみると、取り出しやすいよう少し頭が出る。そして少し横に隙間が生まれるのはペンをさすためのスペース。出し入れがスムーズにできるように四隅を角丸仕上げにもしている。そこまで考えられている。

紙は書き味に定評のあるMD用紙(ホワイト)。紙面は横罫線と方眼がある。いずれも紙面が4分割されている(MサイズとLサイズ)。これはいろいろな情報を管理しやすくするためだ。私たちの身の回りには4つに分けられるものが意外と多い。1年の季節は4つだし、ゴルフをするときは4人で回る。そうした情報を整理して書くのに適している。また両面印刷なので見開きにすれば8等分。1週間7日間の管理もできる。


ダイヤメモはこうしたいろいろな情報を書き込み、折を見て参照することを想定している。だからめくりやすいように表紙は気持ちよくしなる素材にもなっている。

[ミドリ ダイヤメモS 税込132円]
[ミドリ ダイヤメモM 税込154円]
■ ヤマト メモックロールテープ

私が日々の仕事で愛用しているメモツールだ。調べてみると1992年から販売されており、30年以上のロングセラー。これは貼ってはがせるふせんをロール式にしたものである。全面糊になっているため、ヒラヒラせずしっかり貼っておける。
私がよく活用しているのはファイルのインデックスとして。ファイルのタイトルはプロジェクトによってはすごく長くなってしまうものもある。そうした時もこれならそれに合わせて長さを調整していける。そのプロジェクトが終わったらインデックスを剥がしてファイルを再利用していくこともできる。

ファイルにはタイトルだけでなく、やるべきタスクも一緒に貼っておける。太いメモックロールテープならそうしたタスクリストも書きやすい。見やすいファイルの外側に貼っておけば、忘れずに取り組むことができる。

ファイルだけでなく、箱に何が入っているかのインデックスにも使っている。書くときは程よく目立つようにぺんてるの筆タッチサインペンにしている。私が使っているのはグレー。

メモックロールテープのディスペンサーにはカッターがついているが、よりキレイに切り取るために私はいつもこうしている。いったんカッターのところでメモックロールテープをしっかりと折って、折り目をつけてからカットしていく。こうするとキレイに切れる。


[ヤマト メモックロールテープ 25mm幅 ローズ/レモン 税込550円]
[ヤマト メモックロールテープ 50mm幅 罫線タイプ 税込638円]
こうしたロングセラーのメモツールには市場で勝ち残ってきただけあって、使っていくと分かる良さが色々と詰まっている。日々のメモ生活を上質にしてくれるアイテムである。
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記事配信日:2025/3/28