甘い物はいくらでも食べられるように、文具もいくらでも買ってしまう「文具は別腹」な方々。そんな皆さんの別腹を大いに刺激する文具コラム。ステーショナリー ディレクターとして色々な文具を見てきた私、土橋（つちはし）が、その使い心地も含めてご紹介していきます。（毎月第二金曜日・第四金曜日配信）

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私は、いかにも多機能といういでたちのものよりも一見すると多機能には見えないんだけど、実は色々なことができてしまうものに心惹かれる。言わば「静かな多機能」というタイプのものだ。モノだけでなく人でも実はこんな隠れた特技を持っているみたいな人に憧れを感じてしまう。

この「携帯マルチハサミ」には、そんな隠れた面がいくつもある。

■ ダンボールオープナーが便利

今やネットで注文した荷物が届くのは日常茶飯事。そのため届いたダンボールを開けるのも日々行われる恒例の作業になっている。そうしたダンボールは大体においてテープでしっかりととめられている。それを切る時に使うものと言えば、たとえばカッターがある。切れ味は抜群だが、切れすぎるということもあり、大切な中身にまで傷つけないように注意する必要がある。また、人によってはハサミを使うこともあるだろう。ハサミを少し広げて刃を出してその片側で切っていく。切れ味はほどほどなので先ほどのような心配はないが、刃をむき出しで手に持つので、こちらもちょっと気をつける必要がある。

この「携帯マルチハサミ」は、刃を広げない状態でダンボールをスムーズにそして安全にカットしていくことができる。刃先の片側をよく見てみるとギザギザになっている。これをダンボールのテープのところに添えて、少し力を入れていけばサーッと切れていける。カッターのようにカチカチと刃を繰り出す必要もなく、ハサミの時のように刃を広げるというワンアクションもない。手にとってすぐにカットしていける快適さがある。待ちに待った品物がようやく届いて開けるときは、少しでも早く行いたいものだ。

■ 小さいけど握りやすい

基本はハサミである。ただふつうのハサミよりかなり小ぶり。刃先は短いが、使ってみるとわかるがふつうの使いやすさがある。指を入れるハンドルが全体のサイズのわりに結構大きくなっている。しかも内側に凸凹があるのでギュッと握った時の落ち着きがいい。

先ほどのダンボール開梱で言うと、頑丈なヒモで結束されていることもある。こうしたヒモも楽々切っていける。また、最近ではフリマアプリなどを利用して荷物を発送することも増えている。その時にも「携帯マルチハサミ」は大いに使える。ダンボールを梱包するためにテープをカットする際、刃先にノリがつきにくいよう溝が入っている。

小さいながらも力持ちな面も併せ持っている。あまりシーンとしてはないかもしれないが、針金を切ることもできる。ハンドルの根元のところに針金を挟んでハンドルをギュッと握るとカットできる。（鉄製の針金は1.２mm、銅製は1.６mm）

ハサミなので、もちろん紙もちゃんと切っていける。流石に刃先が短いのでチョキチョキの回数は少々増えていくが。


「携帯マルチハサミ」という商品名になっているとおり、アウトドアやDIYなどで活躍してくれるツールである。確かにいかにもワイルドでヘビーデューティなスタイルをしている。ただ個人的には携帯せずに据え置きで使っていくのも便利だと思う。たとえば玄関やリビングルームに備えておけば、きっと日常の色々なシーンで便利に使えることだろう。

[デザインフィル　携帯マルチハサミ 各色　税込1,100円]

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記事配信日：2021/02/26