コトキジ KOTOKIJI

四国八十八ヶ所 発心のお遍ロード十番打ち

1 泊2日から始めるお遍路デビュー

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#お出かけ #形から入ってみよう

1 番から10 番札所までのコースは、歩き遍路を目指す人の登竜門。
全体的に平坦で歩きやすい道が多く、万が一途中でリタイアする場合でも比較的交通機関が充実しているので、誰でも安心してチャレンジできる。お遍路デビューにうってつけの1泊2日プランだ。

発願の寺に手を合わせお遍路さんデビューの道へ

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四国に八十八ヶ所ある札所をすべて通しで歩いた場合、40〜50日はかかるという。そこまでの長期休暇を取ることが難しいという人に、本書がおすすめしたのが「区切り打ち」というお遍路の方法だ。
お遍路はしたいが十分な休みはない、けれどもバスや車で効率よく巡るなんて味気ない……、そう考えている人には2〜3日だけでも、じっくり歩いて札所を巡る方法をぜひおすすめしたい。
この1番〜10番札所を歩くコースはまさに、そんな「区切り打ち」の歩き遍路にぴったりの1泊2日ゴールデンプランなのだ。

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発願の地 霊山寺

お遍路の旅は発願の地、霊山寺から始める。第一番札所なだけあって、この寺には遍路道具を扱う店が充実している。仮に手ぶらで訪れたとしても遍路道具一式をここで入手することができるくらいだ。
また、寺周辺に遍路宿もあるため、前泊してから旅をスタートさせるという方法もいいだろう。遍路宿や宿坊では、全国各地からお遍路に訪れる〝同志〞と知り合いになれる機会も多く、これまた遍路旅の醍醐味でもある。

さて、霊山寺に話を戻そう。多くの人の場合が、この霊山寺でお遍路作法の基本を学ぶこととなる。山門をくぐって手水場で手と口を清めるまでは誰でもスムーズにできるはずだが、迷うのはその先だ。「本堂はどこ?」と目が泳ぎそうになったら、迷わず最奥のお堂を目指すべし。

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お遍路の参拝手順は
本堂→大師堂→納経所
の順となる。
霊山寺の場合、山門をくぐってすぐ右手に見える立派なお堂は大師堂。札所によってその配置は大きく異なるが、八十八札所にはたいてい、かわいらしい小坊主さんの看板が立ち、本堂か大師堂かを教えてくれるので安心していい。

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札所では納め札を書いたり、読経したり、納経所に並んだり……と参拝時間だけでも20分や30分はすぐにたってしまう。
1日の時間配分を考えるうえでこの参拝時間を忘れずに加えておくのが、歩き遍路のプランニングの重要なポイント。何より日が暮れる前に宿泊地に到着することが大切だからだ。

霊山寺でひと通りの遍路作法を体験した後は2番札所極楽寺へ。
山門を出たあたりで、持参の地図と周囲の道の状況を照らし合わせてみよう。迷ったらすぐに地図を見る。そのこまめな行動もまた大切。だが、注意深く周囲を見てみると、道の脇に立つ柱などに矢印のシールが貼ってあることに気づくはず。遍路道では善意の団体がお遍路さんが道に迷わぬようにと、道順を示してくれているのだ。地図と矢印をたよりに進めば、まず道に迷うことはないはずだ。また、慣れてくるとこのお遍路シールを探すのが楽しくなってくる。

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2番極楽寺、3番金泉寺の境内へのアプローチにはあぜ道をお借りして進む遍路道がある。地元農家の作業用路の場合もあるため、配慮しながら進もう。また夏場はマムシにも注意したい。

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朝から歩き始め、太陽が高くなればお腹も鳴り出す。そんな頃合いを見透かしたように、愛染院の先に立ち現れるのがうどんの名店「萌月」。県外からうどんだけを目当てに訪れる人もいるほどだ。
うどんで満たされた後は山へ続く坂道を登り4番大日寺へ。その後下って5番地蔵寺、6番安楽寺へ。モデルプランではその先の十楽寺宿坊を紹介しているが、状況によっては6番安楽寺の宿坊に投宿するのもいいだろう。

空が広くなっていく2日目の遍路道

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2日目はやや札所の間隔が開き、田園風景も多くなるので、歩き遍路の醍醐味が五感を伝ってやってくる。特に8番熊谷寺から9番法輪寺周辺までの道は広大で長閑な田園風景が続き、はるか昔にタイムスリップしたような錯覚になる。

しかしその一方でいえるのは、商店も少なくなるということだ。7番十楽寺から10番切幡寺までの遍路道にコンビニは一軒もない。都会感覚でトイレや自販機などをアテにはできないので注意しよう。

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歩く速度や休憩、参拝時間の長さによっては、10番切幡寺に着くころすでに日が傾く場合もあるかもしれない。そんなときは駅までは無理せずバスに乗ったり、途中でコースを変更する柔軟さも大切だ。いつでも、どこからでも、再スタートできるのが区切り打ちのよさなのだから。

Photo/Y.Yanagida 柳田由人

提供:枻出版社

媒体名:歩くお遍路BOOK

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四国88箇所の札所霊場を巡るお遍路。本書が提案するのは2日か、3日ほどに区切って歩く“区切り打ち”のお遍路旅。週末休みを活用すれば充分歩けて、楽しむことができる歩き遍路の世界を、具体的なプランや必要な情報とともに紹介します。

枻出版社サイト

記事配信日:2014/11/03

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