甘い物はいくらでも食べられるように、文具もいくらでも買ってしまう「文具は別腹」な方々。そんな皆さんの別腹を大いに刺激する文具コラム。ステーショナリー ディレクターとして色々な文具を見てきた私、土橋(つちはし)が、その使い心地も含めてご紹介していきます。(毎月第二金曜日・第四金曜日配信)
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この「文具は別腹」では、今注目されている新製品だけでなく、密かに力をいれているものがある。それは、売場の奥の方にひっそりと身を隠しているが、実はとっても便利なアイテムである。売場ではついつい新製品に目がいきがちだが、それ以外にも売場にはたくさんの便利なアイテムが並んでいる。そうしたものに気づいていただく機会になればと願っている。この基本方針は連載当初からロフトさんと私の間で、ぜひそうしましょう!と硬い約束が交わされてきた。
そして毎回、紹介アイテムを決める時はロフトさんのご担当の方と一緒に実際の売り場を回って探している。それこそ売場の隅々まで見て、棚は上から下までしっかりとしゃがんで見ていく。この「ひっつき虫」は売場の奥の方で見つけたアイテムだった。
「虫」といっても昆虫ではない。

■ ソフト粘着剤というアイテム

これは壁に紙などを貼るときに使うアイテム。クニャクニャとした粘土状でペタペタとくっつく性質がある。これを使うと画鋲の時のように壁に穴をあけることもなく貼ることができる。しかもキレイに剥がせて繰り返し使える。壁だけでなく花瓶や置物などを固定する時にも活用できる。
なお、使用に際しては貼ってはいけない面があるので注意が必要だ。たとえば、ザラザラした面、凹凸の大きな壁紙、湿り・汚れのある面、繊維などはダメ。ツルツルとした所を得意としている。


使い方は小さく前へならえのように並んでいる「ひっつき虫」をいくつかとり、コネコネして柔らかくして貼り付けたいところにペタリと付ける。それだけでしっかり固定できてしまう。ちなみに55粒入っているのでタップリと使うことができる。

■ 私の使い方
私は、この「ひっつき虫」で鉛筆を壁に固定させている。カレンダーの横の壁に「ひっつき虫」をくっつけて、そこに鉛筆を取り付けているのだ。しっかり固定するために「ひっつき虫」を少々多めに使い、鉛筆を少しグイと押し込んでいく。


軽い鉛筆なら十分固定できてしまう。カレンダーというものは、予定を眺めるだけでなく、予定を書き込むこともよくある。だからカレンダーのそばにペンがあるとこの上なく便利。ペンどこだっけ、といちいち探す手間が省ける。書き終わったら、またグイと押し込んで鉛筆を固定しておく。オススメの使い方だ。


また、デスクまわりではペンスタンドを動かないように固定しておくのにも使える。ペンの出し入れをくり返しているうちにペンスタンドがじわりじわりと動くことがある。また誤って倒してしまうことも防げる。

この「ひっつき虫」はコネコネしている感触もとても心地よい。丸めたりビーッと伸ばしたりして棒状にしたり平らにしたりと自由自在。虫が幼虫から成虫になり、形をどんどんと変えていくが、この「ひっつき虫」も、そうした虫の変態のように色々と変わる。その意味では、なるほど「虫」というネーミングにも納得感がある。

[コクヨ ひっつき虫 税込357円]
ご紹介した商品は、全国のロフト各店舗・ネットストアにて取扱っております。
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記事配信日:2019/07/12