コトキジ KOTOKIJI

【連載】「文具は別腹」その16

一体感のある書き味

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#文具は別腹 #雑貨モノ知り

甘い物はいくらでも食べられるように、文具もいくらでも買ってしまう「文具は別腹」な方々。そんな皆さんの別腹を大いに刺激する文具コラム。ステーショナリー ディレクターとして色々な文具を見てきた私、土橋(つちはし)が、その使い心地も含めてご紹介していきます。(毎月第二金曜日・第四金曜日配信)

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ロフトのペン売場に行くと、星の数ほどのペンが「小さく前へならえ!」をしてキチッと並んでいる。そして、その一本一本がじっと私を見つめている…そんな気が私はする。あまりの多さに、どれを選ぼうかと立ち尽くしてしまうという方も多いのでは。そうした中で、今回はぺんてるの「エナージェル ユーロ」を取り上げたいと思う。私が信頼を寄せるペンの1本なのである。

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■ 水性ゲルインク

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ご存じの方も多いと思うが、ボールペンのインクは大きく2種類に分かれる。油性と水性だ。書き味の違いを私はこんな風に捉えている。油性ボールペンは、さぁ書こうとペン先を紙に添えた瞬間に、ペンと紙の間に油のクッションのような感触がある。一方の水性は、書こうとした時にコツンとペン先が直接紙にあたっているような感じがする。どちらが良い悪いということではなく、これは個性ということなのだ。

このエナージェル ユーロは水性ゲルインクなのだが、書き出しの瞬間にわずかにクッションのようなものが感じられる。そして書き出すと流れるようなスムースに変わっていく。書き出しはまったりとして、そしてサラサラとなっていくのだ。これが実に心地良い。

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■ キャップ式の良さ

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このエナージェル ユーロはキャップ式。日本ではノック式の方が断然主流だ。しかし、このエナージェル ユーロのキャップ式には大きな意味があると私はひそかに考えている。ちなみに「ノック式」という言葉はどうやら日本だけしか通用しないようだ。欧米で「ノック」と言っても、相手はドアをノックすることしかイメージできないという。さてさて、ノック式にはカチッと押せばすぐに書き出せる良さがある。でも、エナージェル ユーロにおいてはキャップ式であることが書き味において大きな役割を果たしてくれる。

それは、ペン先の一体感ということなのだ。ノック式は、ノックをするとペン先が出たり入ったりする。そのため、ペン先の穴にはその動きがスムーズになるよう、多少の余裕を持たせている。ほんのわずかだが、出したペン先をつまむとグラグラとすることがある。これが書く時のグラツキとなる。私はこれが大いに気になる。

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その点、エナージェル ユーロはキャップ式で、しかもリフィル(替え芯)が交換できない使い切りタイプ。そのためペン先が軸に完全に固定されている。だから書く時のグラツキが一切なく一体感に包まれる。この一体感により、書きはじめのクッション、そしてサラサラというあの醍醐味が思う存分味わえるという訳なのだ。あたかもひとつの塊のようなペンを手に書いているような安心感がある。

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ササッとアイデアを書き出す時、打ち合わせのメモをする時などに、このエナージェル ユーロを手にするとその良さが実感できると思う。

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[ぺんてる エナージェル ユーロ 0.7mm 各色 税込184円]


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記事配信日:2019/03/22

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