コトキジ KOTOKIJI

【連載】「文具は別腹」その14

半透明な軽やか便せん

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#文具は別腹 #雑貨モノ知り

甘い物はいくらでも食べられるように、文具もいくらでも買ってしまう「文具は別腹」な方々。そんな皆さんの別腹を大いに刺激する文具コラム。ステーショナリー ディレクターとして色々な文具を見てきた私、土橋(つちはし)が、その使い心地も含めてご紹介していきます。(毎月第二金曜日・第四金曜日配信)

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文具は次々と新製品が登場してくる。その勢いについていくのが大変なくらいに。その一方で、文具には長く販売され続けているロングセラーもある。新製品が売場の目立つ場所でスポットライトなんかもあてられ特別な扱いを受けている。しかし、ロングセラーは特別な場所も照明などもない通常の棚にひっそりと収まっている。私はそうしたけなげなロングセラーが好きだ。売場では光があまり当てられないので、私が光を当てようと思う。

■ 国際郵便用の便せん

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「エアメール」という便せん。

このトリコロールカラーはご覧になったことがあると思う。もともとは文字通り国際郵便用に作られたものだ。その昔、国際郵便の料金が今より高かったので、できるだけ軽くするために使われていたようだ。今では国際郵便もそれほど高くなくなり、その役割もだんだんと少なくなっている。

特長は、紙がとても薄く半透明であることだ。最近はコシのある厚い紙が増えているので、そうした中でこの軽やかさはとても新鮮みがある。

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紙の下に手をさしこむと上からうっすらと透けて見えてしまうほどだ。

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1ページ目には罫線の入った下敷きが付いている。表が横書きで裏が縦書きになっている。

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■ インクをしっかり受けとめてくれる

こんなに薄い紙ではあるが、ペンとの相性はすこぶるよい。油性ボールペンはもちろんこと、水性ゲルインクあたりで書いてもインクのにじみなどは見られない。

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中でも私が気に入っているのは万年筆。インクをしっかりと受けとめてくれる。

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裏面をハラリとひっくり返してみると、さすがに筆跡は透けて見えるがインクが裏側ににじみ出すということはない。一体この薄い紙のどこにインクを受けとめる余裕があるのだろうと首をかしげてしまう。それほど懐の深い紙なのだ。

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■ 私の使い方

私はそのままの便せんの状態だと、いまいち使いこなせていない。普段そんなに手紙を書くこともないので、便せんとしてはあまり出番がない。そこで私はこの便せんを1/3にカットして使っている。つまり、一筆箋サイズくらいにしていくのだ。一筆箋であれば、仕事で資料などを送る時に一言だけ書き添えることが多い。実際に書いてみると、文字が軽やかな紙にふんわりと乗っかっているように見えていい感じだ。

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この1/3にカットしたエアメール一筆箋を何枚もこしらえて、いつでも使えるようにストックしている。その際に気をつけておかないといけないのが収納方法である。ヒラヒラと薄い紙なので、しまうときに気をつけないと折れ曲がってしまわないかとハラハラする。私はクリアフォルダーをこのサイズにはさみでジョギジョギと切って専用のケースにしている。これに入れておけば引き出しにしまっても安心だ。

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一筆箋だけでなく、メモ用紙として使ったり、もちろん本来の便せんとしても使える。売り場で見つけて皆さんならではの光を当ててみてはいかがだろうか。

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[TS エアメール 税込303円]

ご紹介した商品は、全国のロフト各店舗・ネットストアにて取扱っております。
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記事配信日:2019/02/22

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