コトキジ KOTOKIJI

【連載】「文具は別腹」その12

考えるためのノートを持っていますか?

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#文具は別腹 #雑貨モノ知り

甘い物はいくらでも食べられるように、文具もいくらでも買ってしまう「文具は別腹」な方々。そんな皆さんの別腹を大いに刺激する文具コラム。ステーショナリー ディレクターとして色々な文具を見てきた私、土橋(つちはし)が、その使い心地も含めてご紹介していきます。(毎月第二金曜日・第四金曜日配信)

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考えてますか?

改めてそう言われても「考える」ことなんて、考えたことがないという方も多いのでは?でも、どんな仕事でも一番はじめは考えることから始まる。仕事の中で実はとっても大切なことである。

パソコンでの仕事は、ある程度考えがまとまった後で整理してキレイに仕上げることだと私は捉えている。パソコンは基本アウトプットされるものが文字中心。パソコン仕事の前の時は、それこそ文字だけでなく図やイラストなど自由に発想を広げていく。だから、考えたことをそのまま書いていける紙とペンの方がしっくりくる。このたび、デルフォニックスさんと私、土橋がコラボをして考えるためのノート 「ロルバーン ランドスケープ」を作った。

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■ 横型は考えるのにいい

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▲机の上で腰を据えて考えられる「Desk(デスク)」サイズ(左)と
様々な現場へも持ち出しやすいコンパクトな「Field(フィールド)」(右)の2サイズ。

このロルバーンはノートには珍しい横型をしているのが特長。私はかれこれ8年くらいずっと横型のスケッチブックで仕事をしてきた。その経験を踏まえてわかったのが、横型の方が考えがスムーズに行えるということだった。横型は、パッと見た時に紙面の全体像が捉えられる。縦のノートだと、どうしても視線を上下に動かさないと全体像が捉えられない。横型だと視線の無駄な移動が少ない分、「考える」ことに集中できるのだ。

■ 色々な思考モードで使える

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紙面は5mm方眼。その紙面には考えることをアシストしてくれるガイドがある。具体的には、中央にあるドット、そして十字方向のエッジにもガイドがある。これらを使うことで色々な思考モードができる。

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まず、「分割モード」というのがある。一番ベーシックな方法としてあるのが2分割。中央に縦線を引けば紙面が左右2つに分かれる。私はよくこの2分割を「メリット」、「デメリット」を書き出す時に使っている。なにか新しいプロジェクトや企画を検討する時に、そのメリットとデメリットを書き出していく。頭の中だけで考えるとついつい堂々巡りになってしまうが、整理して書き出すことで問題点がハッキリとしてグッと分かりやすくなる。

また、私は仕事でよく文具のセレクトを頼まれることがある。「ペン」、「ノート」、「ファイル」、「デスクツール」というカテゴリーであれば紙面を4分割していく。その際、カテゴリー名は中央に書き込むのがコツ。こうすることで視線が中央に落ちついて、あちこちに行かず考えるがスムーズに行える。

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その他、3分割、5分割といくらでも自由に分けて考えることができる。なにもない状態で考えるよりも、こうして枠組みを作っておくと考えも浮かびやすくなる。

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また、プレゼンや企画書の内容を考える時にも、この分割モードは使える。この場合は、はじめに何分割するかが決まっていない。そこで、最初に12時の位置に線を引いてそこをスタート地点とする。グルリと一周してプレゼン時間全体、企画書の全体像と捉えて、ケーキを切っていくように分割して構成を考えていく。

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それから、こんな使い方もある。クライアントと打ち合わせをする際、必ず確認すべきことがあったら、あらかじめノート紙面をその確認すべき数で分割しておく。その中央に確認事項を書いておけば忘れずに済む。それぞれの記入スペースも確保されて書きやすく、あとで見返した時にもとってもわかりやすい。

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さらに、「拡張モード」というのもある。中央のドットあたりに考えるメインテーマを書き、それを丸で囲んで、そこから思いつくまま発想していく。私はこの「拡張モード」を文具コラムを書く時のポイントまとめに使っている。いきなり原稿を書かずに、まずはその文具の特長や使い心地を書き出してみる。中央にその文具のイラストを描いて、ここの材質はアルミで、ここはザラザラとしてグリップが心地よい…などと書いていく。箇条書きなどするよりも、特長が把握しやすくなる。

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「フリーモード」は文字通り自由に発想していく方法。どこから書きはじめてもいいし、とにかく思いつくままどんどんと書き出していく。文字でも図やイラストでもなんでもいい。いったん頭の中にあるものをはき出すことに徹する。それにより頭をいい意味で空にして次の思考をしやすくするという効果が得られる。

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また、「ロルバーン ランドスケープ」は考えるためだけでなく、従来のノートでよくやっている「まとめる」こともできる。その場合は、中央に線を引く。ちょうどノートを見開きにした状態のようになるので、左上から順に項目を書いていく。会議の議事録や打ち合わせメモなどに最適だ。

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このようにガイドを使うことで、様々な思考モードができる。

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▲全ページにミシン目付き。

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▲巻末には透明のポケットが5枚付いている。資料などを入れておける。

なお、紙面の右上にあるガイドを線で囲むと縦長のスペースが生まれる。ここはインデックス欄として日付け・タイトルを書き込む。あえてこの場所にしているのは、ページをパラパラとめくった時に必要なページが探しやすくなるからだ。

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「考える」のはとても大切なことなのに、私は以前、何かのついでにやることが多かった。移動中の電車の中であったり、お風呂に入っている時など。私は「考える」をちゃんと考えていなかった。これではいけないと「考える」を真剣に考えるようになった。そこで考えるためだけの時間をしっかりと作り、その時はパソコンもシャットダウンしてスマホも見ず、15分なり30分はペンを手にノートに向かって「考える」に没頭していくことにした。

「考える」ための専用の時間を確保し、そのための専用の道具で行う。つまり、考えるための「ホームグラウンド」で「考える」ことに取り組むことが大切なのだと思う。

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[デルフォニックス ロルバーン ランドスケープ 
フィールド 各色 税込1,134円 デスク 各色 税込1,350円]

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記事配信日:2019/01/25

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