コトキジ KOTOKIJI

【連載】「文具は別腹」その88

「つけペン」で広がるインクの世界

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#文具は別腹 #雑貨モノ知り

甘い物はいくらでも食べられるように、文具もいくらでも買ってしまう「文具は別腹」な方々。そんな皆さんの別腹を大いに刺激する文具コラム。ステーショナリー ディレクターとして色々な文具を見てきた私、土橋(つちはし)が、その使い心地も含めてご紹介していきます。(毎月第四金曜日配信)

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「インク沼」という言葉がある。ご当地インクや限定インクなどをたくさん購入して沼にすっかりとはまっている、ある意味で心地よい状態だ。たくさんのインクを持っていても全てを使いこなすのはなかなか難しい。そんな中、万年筆メーカーがつけペンを相次いで出してきた。さすが万年筆メーカーというものになっている。たくさんのインクを手軽に楽しく使っていくことができる。それぞれの使い心地を含めてご紹介していきたいと思う。

■ セーラー万年筆 hocoro(ホコロ)

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今回万年筆メーカーが出してきたものは、万年筆のペン先を使っているところが新しい。つまりペン先の先端にペンポイントがついているのだ。スムーズに書け、摩耗に強い特徴がある。

セーラー万年筆の「ホコロ」はそのペン先部分を交換できる良さがある。ペン先は2種類用意されている。細字と1.0mm幅だ。なお商品のセットにはペン先が2種入っているタイプと1種類だけが入っているタイプがある。ボディの先端に使いたいペン先をカチッとセットする。この時、平らになっているところを位置合わせしていく。一本のボディがあれば、好きなペン先を簡単にセットして使い分けられる。

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そして使い終わったらペン先を逆さまにセットすれば、収納しておくこともできる。別途キャップなどがいらないため、つけペンを外に持ち出して楽しみたいという方にはピッタリだ。

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ではインクを付けて実際に書いてみよう。まず、細字を試してみた。インクボトルにペン先を沈みこませる。ペン先にはハート穴があり、そこが隠れるまで浸す。引き出してみると、ペン先の裏側にインクがとどまっている。これで書いていくわけだ。

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たっぷりとインクが付着しているが、書いてみるとインクの出具合は一定している。ほぼ同じ筆跡が書き続けられる。細字ならではの多少カリカリ感はあるものの、ペンポイントがある書き味は万年筆らしさがあって落ちつく。一回インクを付けただけで結構な文字数を書いていけた。一筆箋くらいは十分書き切れる。

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インクの色を変える場合は、水でバシャバシャと洗い柔らかい布などで拭き取るだけ。とても簡単だ。

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次に1.0mm幅のペン先に付け替える。まさに1.0mmの幅を持つ存在感のあるペン先である。なお、こちらはペン先先端にはペンポイントはついていない。同じ要領でインクを付けて書いてみる。力強い太い線が生まれていく。

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美しいアルファベット文字のカリグラフィーを書くのに適したペン先だ。ただ、ふつうに日本語を書いても十分楽しめる。横線が細く縦線が太く出て個性的な日本語になる。書き味は、先ほどの細字に比べて多少ザラッとした紙をこするような感触があった。太い線が書いていけるので、その分インクの消費は早めになる。

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一本のボディで2種類のペン先が楽しめるユニークなつけペンだと思う。

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[万年筆ペン先のつけペン ホコロ 細字 各色 税込1,485円]
[万年筆ペン先のつけペン ホコロ 1.0mm 各色 税込1,485円]
[万年筆ペン先のつけペン ホコロ ダブル 各色 税込2,420円]
[万年筆ペン先のつけペン ホコロ 付替用ペン先 細字 税込935円]
[万年筆ペン先のつけペン ホコロ 付替用ペン先 1.0mm 税込935円]

■ パイロット「iroutsushi(いろうつし)」

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こちらは絵筆のようなフォルムの往年のつけペンという佇まい。ペン先は軸に完全に固定されている。ペン先は、F(細字)とM(中字)の2種類、ボディは涼しげな樹脂軸と木の質感を生かした木軸の2種類。樹脂軸の方がやや短め。

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使い方は、先ほどと同じだ。ハート穴のところまでインクを浸す。こちらのペン先にはハート穴の横に波線があり、インクをつけるときの目印になる。

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書き心地はF(細字)らしいカリッとしたタッチがある。それに対してM(中字)はなめらかさがあった。F・M共にペン先にはペンポイントがついているので、万年筆らしさのある書き味を楽しめる。こちらも一回インクをつけただけで結構な文字数を書いていける。腰を据えてデスクで書くのに適したつけペンだと思う。

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「いろうつし」を使わないときは付属のパイプ状のキャップをつけておくと安心だ。

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プレゼントに添えるカードやちょっとした手紙などを書く時にこうしたつけペンがあると、いつもと違うインクを使いやすくなる。また日記を書く時にその日の気分に合わせてインクを替えるのもいいかもしれない。色々なインクを気軽に楽しめる良さがある。

[いろうつし 樹脂軸 F(細字) 各税込770円]
[いろうつし 樹脂軸 M(中字) 各税込770円]
[いろうつし 木軸 F(細字) 各税込1,980円]
[いろうつし 木軸 M(中字) 各税込1,980円]


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記事配信日:2022/10/28

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