コトキジ KOTOKIJI

【連載】「文具は別腹」その4

いつもと違う文字が書けるボールペン

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#文具は別腹 #雑貨モノ知り

甘い物はいくらでも食べられるように、文具もいくらでも買ってしまう「文具は別腹」な方々。そんな皆さんの別腹を大いに刺激する文具紹介コラム。ステーショナリー ディレクターとして文具を色々と見てきた私、土橋(つちはし)が、その使い心地も含めてご紹介していきます。(毎月第二金曜・第四金曜配信)

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This is a pen.

学校で英語を勉強しはじめた時に、よく例題に出て来た文章だ。でも、よくよく考えてみれば、私の人生で「これはペンです」なんて英語で言う機会はなかった。いったい何を指して「This is a pen.」と言うのだろう。一見するとリンゴのようだけど、実はペンなんです、みたいなものを説明する時だろうか。かなり限定的な状況だ。私には、そうしたシチュエーションは残念ながらなかった。でも、このペンはこう説明したい。

This is a Ballpoint pen!

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■ ボールペンらしからぬスタイル

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何も説明されずにこのペンを手渡されたら、まずペンということはわかるだろう。でもキャップを外してペン先を見て、これがボールペンとはちょっと思わないのではないだろうか。ボールペンと言うと、先端のボールをかしめているところが普通は銀色をしているものだ。しかし、これは真っ黒。だから、ボールペンというよりかは、マーカーペンのようである。

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■ 好き嫌いが分かれる書き味

最初、この「ユニボールエア」を手にして書いた時、正直なところ、あんまりよい印象はなかった。でも、とても個性的でふつうのペンとは違うぞという爪痕は私の中に残した。それが今は、結構好きなペンになっている。興味ナシというのは、ずっと興味のない存在となるが、そんな中にも何かしら印象に残っていると、ある時突然に好きに変わる可能性をはらんでいる。これは人についても言えるかも知れない。

■ 字の強弱がつけやすい

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そもそもボールペンというものは、一定な線を書くことが得意な筆記具だ。しかし、この「ユニボールエア」は書き方によって、線の細い、太いが書き分けられる。すこし力を抜くと細い線に、力を入れると太い線になる。ボール径は0.7mmと0.5mmの2タイプがある。0.7mmは0.4mm〜0.6mmの描線に、0.5mmは0.3mm〜0.5mmの描線が書けるとある。ボールペンで描線にこうした幅を持たせているのは珍しい。

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そして、この点もこれまでのボールペンらしからぬ特長なのだが、書く時にペンを少し寝かせても大丈夫なのだ。その角度によっても線の表情は変化する。
力の入れ具合、そしてペンの寝かせ方を変えつつ書いていくと、いつもと違う強弱の効いた少し筆っぽい文字にもなるのだ。

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この「ユニボールエア」の良さを感じるには、2つのことを意識してみるといいと思う。

ひとつは、あまりキレイに書こうと考えずにササッと勢いをつけて書いていくこと。そしてもうひとつは、いつもより2割か3割くらい力を抜いて書いてみること。サラサラと書けて気持ちよくいつもと違った雰囲気の筆跡になる(ような気がする)。

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描線の強弱を活かして絵を描くにも向いている。
黒インク以外にも青と赤もある。ノートに書くときに色を分けたり、資料の書き込み用にも使える。その際も文字や線に強弱のメリハリが付けられるのがいい。

[三菱鉛筆 ユニボールエア各色税込216円]

※ご紹介した商品はロフト各店舗のほか、ネットストアで取扱いしています。
※取扱い内容は店舗により異なる場合がございます。詳しくはご希望の店舗までお問い合わせください。

記事配信日:2018/09/21

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