コトキジ KOTOKIJI

シュールなイラストとともに綴られた 観光名所に伝わる昔話

おはなしらべ ③

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#ついつい集める○○ #胸キュン文具 #ステーショナリー

日本の観光名所をイラストポストカードにし、その土地の昔話を読み物として同封した「おはなしらべ」シリーズ。

その物語は、世界昔話評議会日本支局会長の九尾猫会長が、三百年に一度の昔話百科の編修のために、弟子の「ねずみ小僧たち」に日本各地の昔話を探しに行かせるところから始まります。

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日本中に繰り出した「ねずみ小僧」たちが、それぞれの街かどや通りの隅から拾い集めたお話の数々。
その一部を、イラストと合わせ、3回の連載記事としてご紹介いたします。

ときに不思議で、ときに笑えて、ときにやさしい「おはなしらべ」の世界をお楽しみください。

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「今宮村の蛙石」(大阪 新世界の昔話)

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昔昔の話。
今宮村のはずれの道ばたに蛙に似た大きな石があったと。
何十年、何百年とそこにあったかのように大きな石だった。

村の年寄りはその石を『蛙石』と呼び、子どもたちに
「あの石は殺生をする石だ。なんでもパクッと口をあけて食べてしまうのじゃ。絶対に近寄ってはあかん」
と言い聞かせていた。

みんな恐ろしがって誰も近寄らなかった。

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ある時、村の若者たちが縁日だというので昼間っから酒を酌み交わしている時、誰かが蛙石の話は本当だろうかと言いだした。

一番腕っぷしの強いトキという若者が
「変な話だ。石は石じゃないか。石が人を食らうわけがない。
どれ、みんなで肝試しに石のところに行ってみよう」
とみんなを誘った。

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皆は酒の勢いを借りて、日頃から不思議に思っていた村のいい伝えを確かめる為にぞろぞろと笑いながら蛙石のところまで来た。

「どうみてもただの石だぞ、おいお前ちょっと石を叩いてみろ」
トキは皆の顔を見まわした。みな、顔は笑ったままだが、誰もやってみようという者はいなかった。

トキは「よし、おいらが一つ、こいつをぽ~んと叩いてみようじゃねえか」と腕まくりした。
仲間は笑うのをやめて真顔になってトキを止める。
「やっぱよしたほうがいいよ。なんかこいつ不気味だし、本当に腕でも食われてしまうかも」と。

大丈夫、大丈夫、とトキが手を伸ばした時、一匹のすずめが蛙石の上に止まった。
皆の視線が雀に集まった。次の瞬間、蛙石の口がぱかっとあいてあっという間にその雀を飲み込んだ。

青年たちは「うわ~」口ぐちに叫んで蛙石から逃げていった。
酔いもさめ、あのいい伝えは本当だ、あの石は人食い石だ!と大騒ぎ。

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村の長老がその話を聞き、
「あの殺生石をあのままあそこにおいてはいけない」
と村の衆を集めて相談した。

そうして、蛙石の周りに頑丈な祠(ほこら)を建て、和尚に頼んでお札を貼ってもらった。
『この蛙石は殺生石也。何人(なんびと)も封を解くことなかれ』
祠の前にこう書かれた札を立てて、誰も石を触ろうとするものがいないにように封じた。

以来誰もこの石に近づかなくなった。

というお話。

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シュールなイラストが印象的な「おはなしらべ」のポストカードは、全16柄(2014年5月時点)。

実は イラストの中に、"物語の主役"とお話を拾い集めに奔走する「ねずみ小僧」が必ず描かれているのだとか。

昔話は日本語のほか、英語・韓国語・中国語と4か国語で掲載されていいて、海外の方へのお土産にもぴったり。
昔話で日本の空気を感じてもらったあとは、一緒に「ねずみ小僧」探しに興じてみても楽しそうです。

提供:ロンド工房
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記事配信日:2015/05/31

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